論文検索に有用なIncitefulとは?おすすめ機能7選を現役研究者が解説

この記事では、Incitefulという研究者のサポートAIツールを解説します。

Incitefulのアイキャッチ

研究を進めるにあたって先行研究の調査は必要不可欠な作業です。

日々更新される膨大な論文の中から必要な論文を探し出すのは大変。できるだけスムーズに実施したいものです。

「すでに同じような研究が実施されていた」

「多数ある関連論文のどれが重要かわからない」

Incitefulは関連する論文の情報を視覚的に把握でき、優先度の高いものからチェックすることができます。

あかのん

なんと完全無料で利用できる優れものです。

公式サイト:Inciteful (https://inciteful.xyz/)

目次(クリックで移動)
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Incitefulの機能7選

Incitefulは、関連論文を視覚的に把握する無料のAIツールです。

ポイント

Incitefulの機能(1):関連論文を視覚化する

トップページはこのような感じ。

Incitefulのトップページ

元論文をアップロードすると、関連のある論文がグラフになり表示されます。

周辺が光って表示されるのが元論文です。

全体像の把握が簡単にできるので、研究テーマの概要を把握するのに便利!

円の上にカーソルを合わせると、タイトルが表示され、クリックすると基本情報が確認できます。

Incitefulの機能(2):円の大きさが被引用数を表す

円の大きさは被引用数を表します。

Inciteful:大きさが被引用数を表す

円が大きいほど、被引用数が多く、小さいほど少ない論文です。

被引用数が多い論文は研究テーマに対する影響力が大きいため要チェック。

Incitefulの機能(3):円の濃度が年代を表す

円の濃度は発行年代を表します。

Inciteful:濃度が年代を表す

濃度が濃いほど、新しい論文です。

最新の論文からチェックすると新しい知見が発見できるかもしれませんね。

Incitefulの機能(4):論文の絞り込みができる

フィルター機能を利用して、関連論文を絞り込むことができます。

Inciteful:論文の絞り込みができる

年代、キーワード、論文間の距離で絞り込みが可能。

Incitefulの機能(5):2つの論文の関係性が見れる

2つの論文の関連性を確認する際は、トップページにある右側の部分を利用します。

調べたい論文をそれぞれ入力すると、2つの論文の間に存在する引用関係の論文が表示されます。

Inciteful:2つの論文の関係性を示す
あかのん

上下の論文両方に引用関係がある論文が挙げられています。

Incitefulの機能(6):関連論文のリストが表示される

グラフの下には、Similar Papers(類似論文)のリストが表示されます。

さらに下へいくと、以下の4つがリスト化されています。

Inciteful:論文がリスト化される
リストの左端にある+ボタンをクリックするとグラフにも追加できます。
  • Most Important Papers(最重要論文)
  • Review Papers(レビュー論文)
  • Recent Papers by the Top 100 Authors(トップ著者100名による最近の論文)
  • The Most Important Recent Papers(最重要な最近の論文)

このリストをざっと見ていくだけで該当分野の知識が深まります。

あかのん

レビューを書くときなどにも便利!

Incitefulの機能(7):トップ著者や研究機関が見れる

ページ最下部にはその他の情報として、グラフ内の関連論文に関する以下のリストも作成されます。

  • トップの著者名
  • 研究機関名
  • ジャーナル名

Incitefulでは、いろいろな視点から研究テーマについての理解を深めることができます。

あかのん

「Top Journals」の項目は、投稿するジャーナルを検討する際にも便利ですね。

Incitefulのメリット

無料で無制限に使える

現在のところ、無料で無制限に利用できます。

アカウント登録すらも不要なので、手軽に利用可能。

これまでに挙げた7つの豊富な機能で、研究テーマの概観を把握する際にとても役立つツールです。

Zoteroと連携できる

IncitefulはZoteroと連携させることができる点も嬉しいです。

グラフ作成をしたい論文を簡単にアップロードすることができます。

Incitefulのデメリット

過去のデータが保存されない

アカウント登録がない代わりに、過去のデータが保存できない点がデメリット。

前回作ったグラフを再度表示したいときは、もう一度グラフを生成する必要があります。

アブストラクトが見られない

表示された画面内ではアブストラクトが見られません。

詳細を確認したい場合はそれぞれの論文ページを開く必要があるのがデメリットです。

Incitefulの始め方

公式サイトを開きます。

Incitefulのトップページ

トップページ左側の白枠内に、元論文のタイトルやDOI、PubMed URL、arXiv URLを入力。

グラフを作成したい論文を選択してView Graphをクリックするのみ。

アカウント登録もないので、瞬時に利用スタートすることができます。

Incitefulの類似ツール

Incitefulのように関連論文を視覚化するツールは他にも4つあります。

あかのん

それぞれ簡単に解説していきます。

AnswerThis

AnswerThisのキャッチコピー

関連論文のビジュアル化ツールは単体のツールであることが多いですが、オールインワンのツールのAnswerThisには機能の一つとして搭載されています。

論文検索→関連論文の掘り出しの流れが同ツール内で完結して非常にスムーズ!

👇の記事に詳しく説明しています!

AnswerThisは、特に「論文レビュー」が得意なので、その点も気にして読んでみてください。

Research Rabbit

Research Rabbitのキャッチコピー

Connected Papersと同様に関連する論文を視覚的にグラフ表示します。

Research Rabbitの検索結果画面

論文をアップロードするにあたって、Zoteroとも連携している点が便利です。

関連論文の深堀りも可能。

気になる論文があれば、クリックすることで詳細がわかり、さらに深堀りできます。

Connected Papersに比べて表示される論文が多く、より深く調査が必要な際におすすめ。

完全無料です。

Connected Papers

Connected papersのキャッチコピー

Incitefulと同様に、アップロードした論文を中心に以下のように論文のつながりを可視化してくれます。

Connected Papersの検索結果画面(関連する論文を可視化)

グラフからは以下のような情報が読み取れます。

  • 円の距離は関連の強さ
  • 円の大きさは引用件数の多さ
  • 円の濃度は発行年代

月に5つのグラフ作成までは無料で利用できます。

Connected Papersは操作がシンプルで、視覚的にもわかりやすい点がメリットです。

Scite_

Scite_のキャッチコピー

Scite_は引用をチェックするツールで、引用がサポート的か、対立的か、単なる言及かを分類してくれます。

元論文に対する被引用の立場を色分けして表します。

Sciteとは被引用を確認できるツール

この関係性をConnected papersと同様にネットワークで表すことができます。

引用の関係性を視覚化(実際の画面)

図からは以下のような情報が読み取れます。

  • 緑色の矢印:賛同
  • 青色の矢印:反対
  • 灰色の矢印:言及
  • 円の大きさ:引用数
あかのん

被引用の立ち位置を区別できるツールはScite_だけです。

Incitefulについてよくある質問

どんな時に使うのが便利?

始めたばかりの研究テーマについて全体像をつかみたいときに利用すると便利です。

トップ著者別、研究機関別などの多面的なリスト表示で、様々な視点から研究を理解することができます。

他の類似ツールより優れている点は?

アカウントの登録が不要で、すぐに始められる点です!

他の類似ツールとの使い分けは?

IncitefulもしくはConnected Papersで研究の全体像を大まかに把握→Reseach Rabbitで細かく調べたい部分を深堀りするという流れがおすすめです。

Incitefulのまとめ

  1. 関連論文を可視化できる
  2. 多面的な見方で研究テーマを把握できる
  3. 無料で無制限で利用できる

Incitefulは様々な切り口から関連論文をチェックできる優秀なツールです。

Incitefulを利用して、関連論文の調査にかかる時間を大幅に短縮!

あかのん

完全無料なのでぜひ利用してみてくださいね!

あかのん

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