こんにちは。運営者のあかのん(@HAcademianote)です。
最近ではさまざまなAIツールが登場しています。
この記事では研究者にむけて、論文検索から読解まで便利に使えるAIツール7選を詳しくご紹介しています。
これらのAIツールをうまく使っていくことで、研究の高速化が実現するはずです!
今回ご紹介するツールは以下の7つです。
\気になるツールがあればクリックで移動/
紹介するAIツール
論文検索~読解までマルチなAIツール
SciSpace
今回調べた中で一番使い勝手が良いと感じたサービスです。
検索~読解まですべての様々な機能が網羅されており、マルチな使い方ができます。
ChatGPT Plusで利用できるResearchGPT(Official)はScispaceより提供されているGPTsです
基本的な機能4つ
- 論文検索
- PDFからデータを抽出
- AIと論文を読む
- パラフレイザー
論文検索
検索結果の画面に考察や結論が書かれていて、論文を開かなくても中身がわかります。ものすごく時短ですね
ちなみに、SciSpaceの拡張機能をGoogle Chromeの検索エンジンに追加すると、SciSpaceのページを開くことなく、検索窓から直接検索ができます。
閲覧ページを開いたまま分からない用語を検索したり、閲覧ページを要約したり、この機能はすごく便利!
PDFからデータを抽出
関連論文をまとめて把握するのに便利!!
AIと論文を読む
なんでも質問に答えてくれるし、言語も「日本語」が選択可能
質問の例:
- 「この論文の新しい発見は?」
- 「○○ってなに?」
- 「他に参考文献は?」
- 「(文章を選択して)この箇所を解説して」
そしてSciSpaceの嬉しい機能のひとつは、数式や図表の解説ができることです。
こんなことまでできるなんて…
図表の解説についてはまだまだ発展途上な点もありますが、利用者の論文読解のサポートとして十分活躍してくれそうです。
このように、論文の検索から読解まで利用できるため、SciSpaceは総合的におすすめしたいサービスです。
画面操作も感覚的に使えて◎です。
今回は詳しく紹介していませんが、その他にパラフレイザー機能があり、書いた英文を使用場面ごとに適切な言い回しに言い換えてくれます。
Scispaceのまとめと補足
検索機能の特徴 | 2 億件以上の論文のメタデータと5,000万件以上のオープンアクセスの全文 PDFへアクセス 疑問に対して信頼できる引用をもとにまとめ情報を提供 検索結果上に各論文へのinsightと論文の結論が提示されており、論文の内容を簡単に把握できる |
読解機能の特徴 | チャットボット「SciSpace Copilot」を利用して、論文の要約をさせたり、要点を聞いたり、選択範囲の説明をさせたりと、論文読解のサポート力に優れている 論文内の数式や表の解説機能もあり 手持ちの論文(PDFファイル)を読み込み可能 英語の論文に対して日本語で質問&回答をもらうことが可能 記事やPDFをSciSpaceのコレクションに保存でき、いつでも前回の続きを読むことができる |
おすすめの利用場面 | 論文検索から読解までマルチに対応できる |
料金
制限付きですが、無料で利用可能です。
また、有料プランではチャットボットの品質が向上するのに加えて、質問回数や文献検索、パラフレイザーの利用回数が無制限になります。
以下のプロモーションコードを使用すれば、利用料が最大40%OFFになります。
プロモーションコード
- 年額プラン”ACADEMIA”で40%OFF
- 月額プラン”ACADEMIA20”で20%OFF
年額プラン40%OFFの場合だと、月額7.2ドルで利用できます
\”ACADEMIA”入力で40%OFF/
Scispaceについてもっとくわしく知りたい場合にはこちらへ
論文検索に便利なAIツール
Elicit
Elicitは検索精度が高いと評判ですね。
Keyとなる論文を見つけたいときに利用するのがおすすめの使い方です
- 論文検索
- コンセプト分類
- PDFからデータを抽出
論文検索
キーとなる論文を見つけたいときに活躍
コンセプト分類
list of conceptから検索すると、こんなこともできます。
この機能すごく良い!
上図では具体的に何をしたかというと…
コンセプトごとに上位論文を引用したサマリーまで提示してくれます。
新しい分野を開拓しているとき、総説を執筆しているときなど、網羅的に情報を収集したい場面で非常に役立ちます。
Elicitにしかない唯一無二の機能です
PDFからデータを抽出
Scispaceにもある機能ですが、このように複数の論文から要素を抽出して、リスト化することができます。
関連論文を把握するのにすごく助かる!!
Elicitのまとめと補足
検索機能の特徴 | 検索精度に定評あり 検索結果の論文ごとに一文要約がつくため、検索目的に合致した論文かすばやく確認できる フィルター機能で「研究タイプ」などを絞れる 上位4位論文からSummaryを提示してくれる 「list of concepts」タブで検索すると、ある事柄についてコンセプトごとに分けて文献を提示 |
利用場面 | 正確に詳細な論文検索をしたいとき |
料金
すごく使いやすいツールなのですが、基本的に有料プランになってしまうのが、辛いところ
トライアルは無料でできますので、気になる方は試してみてください。
Consensus
Consensusは査読論文のみを扱うため、こちらのElicit同様に精度の高い論文検索をしたいときに有用です。
また、のちほど説明しますが、Consensus Meterが非常に便利。
ChatGPT Plusで利用できるResearchGPTはConsensusより提供されているGPTsです
Consensusでは、おすすめの検索方法をこのように明示しています。
- 事象間の関係について質問
(例:「クレアチンは認知力を改善しますか?」) - 「はい/いいえ」で回答できる質問
(例:「亜鉛のサプリメントでうつ病を改善できますか?」 - ある事象の効果について質問
(例:「移民の経済における影響は?」
キーワードを羅列するわけではなく、このように質問をするとConsensusを効果的に利用できます
論文検索
Consensusの検索結果画面は、ラベルなどが豊富で非常に見やすいのが特徴ですね。
ラベルには以下のような種類があります
- 研究の評価:「Rigorous Journal(厳格な研究)」「Very Rigorous Journal」
- 引用数:「Highly Cited」
- 研究デザイン「RCT」「Non-RCT Trial」「Case Report」など
- 臨床研究か基礎研究か:「Animal Trial」など
そしてConsensusの特徴と言えば、論文を要約する機能(Summary)と結果を集計する機能(Consensus Meter)です。
Yes/Noで答えられる質問を入力してみると,,,
主流になっている見解を一発で把握できますね
こちらは画面左上のSynthesizeをONにすることで利用でき、無料プランでは回数制限があります。
Consensusのまとめと補足
検索機能の特徴 | 科学に関するあらゆる分野の2億件を超える学術論文 データセットは毎月更新 検索対象が査読論文のみという信頼性 結果を集計する機能(Consensus Meter)があり、各分野の主流の見解が把握できる |
利用場面 | 正確に詳細な論文検索をしたいとき ある疑問に対する主流の見解を把握したいとき |
料金
有料プランになると論文を要約する機能(Summary)と結果を集計する機能(Consensus Meter)が無制限で利用でき、ブックマークが使えるなど、とても便利に使えます。
学生の方は、プレミアムプランが40%OFFで利用できます。
関連論文を検索したいときに便利なAIツール
Research Rabbit
関連論文の検索
関連論文を調べる場合には、類似論文、参考文献、引用、著者などで繋がりを可視化できます。
さらに、それらの関連論文を時系列に並べることもできます。
引用漏れなどがないか確認したいときに便利ですね
検索機能の特徴 | ある論文における関連論文をネットワークグラフでわかりやすく可視化してくれる 類似論文、参考文献、引用、著者などの軸でそれぞれグラフを作成できる 時系列で表示することもできる おすすめの論文を紹介してくれる |
利用場面 | ある論文の関連論文を確認したいとき(別の検索エンジンでキーとなる論文を見つけてからReserch Rabbitで関連論文を確認する流れがおすすめ) 論文作成ののときに引用漏れがないか確認したいとき |
そして、現在のところ完全無料で利用できます!
こんなに便利なツールなのに無料だなんて有難いですね
無料で提供できるよう寄付を募っているようです(寄付はこちら)https://opencollective.com/researchrabbit
Connected Papers
Research Rabbitとよく似てるけど、操作性が良い印象
検索機能の特徴 | ある論文における関連論文をネットワークグラフでわかりやすく可視化してくれる 円の距離は関連の強さ、サイズは引用件数の多さ、色は掲載年を示す 関連論文をリスト化し、ソートやフィルターをかけて必要な論文を見つけることができる |
利用場面 | ある論文の関連論文を確認したいとき(別の検索エンジンでキーとなる論文を見つけてからConnected papaersで関連論文を確認するながれがおすすめ) 論文作成ののときに引用漏れがないか確認したいとき |
料金
2024年1月時点では年間プランで月額700円弱でした。(外貨値が見つからないため、為替で変動しております。)
料金は随時ご確認ください。
一か月5つのグラフ作成までは無料だそうなので、ぜひ使ってみてくださいね!
【注意事項】狭いテーマや分野で検索をかけたいときにはResearch RabbitやConnected papersよりPubMedの「Similar articles」機能の方が適している場合もあります。お試しください!
調べ物にも便利な生成AI
perplexity
検索機能
アカデミックモードにすることを忘れないで!
何がぱっと疑問点が浮かんだときは、まずはPerplexityに聞いてみましょう
検索機能の特徴 | 最新の情報に基づいて回答され、根拠となるソースも表示される 検索モードを「アカデミック」に絞ることで、研究者にとって正確な引用が期待できる 検索結果をURLで保存&共有できる 検索したいデータベースを指定できる(質問冒頭に[]で指定する) |
おすすめの利用場面 | 生成AIとして日常使い 思いついた疑問点を即座に確認したいとき |
料金
アップグレートすることでGTP-4、Claude-3、Sonar Large(LLaMa 3)などからAIモデルを選択できます
論文抄読に便利なAIツール
Scisummary
読解機能
要約の前に以下の設定が選べるよ。
- モード(要約、一部要約、キーポイント、簡略化するなど)
- 要約の長さ(長・中・短)
- 言語
出来上がってきた内容はとても読みやすい印象です。
依頼した要約は自動的に登録したメールにも送られてきます。
また、メールで読みたいPDFファイルを送信をしてメールで要約を受け取ることもできます。
電車の中やちょっと隙間時間など、わざわざブラウザを使いたくない時にすごく便利
読解機能の特徴 | 科学文献に特化した要約ツールであるため要約の精度が高い 論文をアップロード(PDF、リンク、テキスト)し、全文要約やキーポイントの抜粋などモードを選択できる 利用内容は自動的にメールで送信 メールでのやり取りができる(メールでPDFファイルを送信→メールに要約等を返信) |
おすすめの利用場面 | 多くの論文を読む必要があるとき ブラウザを使わずに論文読解サポートを利用したいとき |
100万語プランで年額支払いを選択すると、月額3ドル弱で利用できます
読むスピードは高速化するし、隙間時間を有効的に論文を読む時間にあてられる。時間のない研究者にはすごくおすすめのツール!
同様のPDF読み込みツールでChatPDFも有名ですが、Scisummaryの方が科学文献に特化している点で研究者向きです。
Scisummaryについてもっとくわしく知りたい場合はこちらへ
有能研究ツールを使うためのフロー
これらの研究ツールのおすすめの使い方は図の通り。
適材適所で使うことを意識してくださいね
AIを使うことのメリットのまとめ
いろいろなツールを紹介しましたが、これらのツールを使うメリットをまとめていきましょう。
AIを用いた論文検索のメリット
①:キーワードが完全に一致していなくても、検索者の意図を汲んで論文を見つけてくれる
従来の文献検索サイトにありがちですが、同義語でもキーワードの選択が異なるだけで検索結果が異なることがあります。
例:CO2とcarbon dioxide
AIではこの同義語を理解して、検索者の意図を汲んだ適切な論文を見つけてくれます。
いちいちキーワードを複数検索する手間がなくなりますね
②:疑問に対して論文を引用して解説してくれる
疑問に対して、主要な論文を引用して、AIが独自に回答してくれます。
③:検索で見つかった論文の要約などを提示してくれる
わざわざ論文のアブストラクトを読まなくても、欲しい論文かそうでないかがすぐわかります。
論文を読んでみて「なんか違う…違う文献探そう」っていうこと多いですよね
④:結果を集計してくれる
※AIツール「Consensus」の独自の機能です
YesかNoで答えられる質問に対して、上位論文ではどのような見解が多いかをパーセンテージ示してくれます。
どのような見解が世の中の主流になっているかが一目でわかりますよ!
⑤:複数の論文から要素を抽出し、並べて比較できる
関連論文の内容を網羅的に比較したいときに非常に便利な機能です。
この図を昔はエクセルで自作してたなぁ…。
⑥:関連論文を見つけ、関連性を視覚化してくれる
関連論文をみつけ、論文作成の際に参考文献に漏れがないかなどを確認できます。
参考文献から芋づる式に論文を掘り起こしていた作業はなんだったんだ!!
AIを用いた論文読解でできること
①:内容を瞬時に要約してくれる
分かりやすい日本語であっという間に要約してくれます。
②:チャット機能を用いて疑問点を解決できる
不明な用語や手法、考察の内容についてなど、さまざまな質問に対してチャットボットが答えてくれます。
わからない英単語ひとつで論文から離脱していちいち調べていた時代はおわり
③:論文内の数式や図表について解説してくれる
※AIツール「Scispace」の独自の機能です
数式や図表を選択すれば、チャットボットが解説してくれます
最後に
今回は論文AIに関しておすすめツールをまとめました。
その他にも研究者・大学院生に超有用なツール32選をこちらの記事でまとめているので、お見逃しなく!
英会話スキルを上げたいならELSA speakが圧倒的コスパでおすすめ!
インスタでもまとめてます
こちらで紹介したツール以外にも大学院生・研究者におすすめのツール32選をインスタでまとめています
今回ご紹介したツール
論文検索~読解までマルチなAIツール
❖Scispace
- 論文検索から読解までマルチな活躍が期待できるAIツール
論文検索に便利なAIツール
❖Elicit
- 論文検索の精度には定評あり
- 正確な論文検索をしたいときには頼もしいツール
❖Consensus
- 検索対象は査読論文のみの信頼性
- 結果の集計機能などがあり、各分野の流れを掴みたいときに有用
関連論文の検索に便利なAIツール
❖Research Rabbit
- 関連論文をネットワークグラフで視覚化
- 論文作成時の引用漏れなどを確認したいときや、新規分野を開拓したいときに有用
❖Connected papers
- 関連論文をネットワークグラフで視覚化
- 論文作成時の引用漏れなどを確認したいときや、新規分野を開拓したいときに有用
調べ物に便利なAIツール
❖Perplexity
- 思いついた疑問を即座に解決したいときに便利
最新の情報に基づいて回答され、根拠となるソースも表示される
論文読解に便利なAIツール
❖Scisummary
- 科学文献に特化したPDF読解ツール
- メールベースで利用できるため隙間時間での利用が便利
最先端のAIツールを有効活用することで研究の効率を上げていってくださいね!
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コメント
コメント一覧 (2件)
めっちゃ役に立った!ありがとうございます。
コメントありがとうございます!実は初めての日本からのコメントでして…すごく嬉しいです!