
通常会員の半額・月額300円(税込み)
初回は6か月無料
こんにちは。運営者の
あかのん(@HAcademianote)です。
大学の研究室に「ポスドク」という研究者がいるけどどういう人?
博士号をとった後は「ポスドク」になることが多いって聞くなぁ。
どんな働き方や年収になるのか不安…
ポスドクとは、「ポストドクター」の略で、博士(ドクター)を取得した後に正規雇用のアカデミアポストに就けずに非正規で働く研究者のことを指します。
研究者をめざす上では避けてとおることは難しいのがポスドクです。
しかし、正しく理解していればむやみに怖れる必要もありません。
何も知らないでいるのは絶対にだめです
本サイトではポスドクについて、以下のように記事を用意しています。
この記事は1記事目です。
ポスドクの全体像を『特徴、働き方、属性、任期、年収、問題点、なるメリット』から詳しく説明していきます。
主に紹介するデータはポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析(2018)を元にしており、現時点での最新データです(2023年10月時点)
(2021年度実績の調査は実施済ですが、結果はまだ公表されておりません)
計15590人のポスドクを対象に調査を行っています。
ポスドクとは、「博士号取得後に任期制の職に就いている研究者(またはそのポスト自体)」を指します。
大学教員が「正社員」であれば、ポスドクは「アルバイト」というイメージでほぼ間違いありません。
アカデミアの世界では大学教員ポストの数が少ないため、博士号取得した後すぐに大学教員になれる人は限られています。
そのため、ポストがなかった研究者はポスドクになります。
例外的に、博士課程最終年度に日本学術振興会の特別研究員PDなどのフェローシップに採用が決まった場合には、就職活動をせずにポスドクとして活動することも多いです。
ポスドクの立ち位置について一言でまとめると、「研究業績を積みながら、アカデミアや産業界においてより高いポジションを得るために備える期間」といえます。
ポスドクは研究者の研修期間として誰もが通る道と位置づけられつつあります。
ポスドクは主に1~5年程度の任期をつけて雇われることが多いです。
成果やプロジェクトの進行状況によっては、契約を更新することで、雇用当時の契約年数以上に働く場合もあります。
また、雇用財源が研究室の基盤研究費などであれば、契約更新を繰り返しながら長期に働いている場合もあります。
任期については詳しくは後述します。→ポスドクの任期
ポスドクは自身で研究室を持つことはなく、雇用主である研究主宰者(PI)の下で働きます。
いわゆる会社に雇われたサラリーマンです。
ポスドクの働き方にはさまざまな状況があります。
ポスドクは研究室や大学等に雇用されている場合と、自身で外部資金から給与を獲得している場合があります。
くわしくは後述します→ポスドクの雇用財源へ
採用条件によってばらばらですが、ポスドクの年収300万~600万です。
フルタイムの常勤で働く場合もあれば、週2~3日などの非常勤で働く場合もあります。
博士号取得者は早くても30歳手前であることを考えると、同年代を比べると薄給といえます。
分野別などの給与の詳細は後述します→ポスドクの年収へ
初めに、ポスドクはどのくらいいるのか?という視点からみると、2018人時点で15590人。
現在でもおよそ15000人くらいはいると思われます。
2021年時点で、アカデミアの研究者の総数は33万6800人と調査結果がでていたので、アカデミア研究者の23人に一人くらいはポスドクという計算です。
年齢が高めなのが気になる
実は2014年で行われた同じ調査より高齢化しています
これには、大学教員の若手採用の流れに年齢が合わなかった同時の中堅ポスドクの方々が、いまだにポスドクとしていることも一つの理由として考えられます。
大学で74.9%を占めます
理系が多いですね
ポスドク契約時の任期をみると、1年以下が過半数を占めます。
え、思っていたより短い…
短くみえるのですが、実は「短い任期の再契約を繰り返し」て、長く働いている場合も多いんです。
なるほど!
こうみると、半数近くのポスドクは5年以上同じ機関で働くことができるんですね。
もちろん、長々とポスドクでいるよりは、早めに正式なアカデミックポストを獲得したいというのが多くの研究者の本音かと思います。
2018年度の実態調査では、ポスドクの雇用財源は以下のように分布しています。
財源は本当にいろいろです
研究室主宰者(PI)であるボスが、外部から獲得してくる資金のこと。
研究開発課題について申請書を書いて応募→評価が良ければ採択→研究開発資金が配分される。
代表的なものに、文部科学省の科学研究費助成事業(通称:科研費)があります。
ポスドク自身が自らの給与を外部から獲得できる制度です。
代表例は、日本学術振興会 特別研究員PDです。詳しくは後述します→特別研究員PDへ
上図のフェローシップの内訳は、日本学術振興会特別研究員と日本学術振興会外国人特別研究員で約99%を占めています。
分野によってかなり差があります
平均年齢 | 平均年収(万円) | |
---|---|---|
全体 | 33.0 | ![]() ![]() |
分野別 | ||
人社 | 33.3 | ![]() ![]() |
理学 | 33.0 | ![]() ![]() |
工学 | 32.3 | ![]() ![]() |
農学 | 32.7 | ![]() ![]() |
保険 | 34.0 | ![]() ![]() |
その他 | 34.5 | ![]() ![]() |
上図は2018年に1万人以上のポスドクを対象に行った調査の結果です。
研究分野別にみると、最も高い工学系で年収約400万円、最も低い人社系で約 260万 円と 大きく差があります。
30歳手前の給料と考えるとやっぱり安い…
もしあなたが、自分の研究分野のポスドクの給与相場を確認したい場合にはJREC-INが活用できます。
「職種:研究員・ポスドク相当」にチェックを入れ、研究分野などのキーワードで検索するとそれぞれの分野の採用条件が出てきます。
年俸制や時給制など雇用状況はさまざまです。
年俸制で25~50万円/月
時給制で1500~2500円/時間
ざっと検索するとどの分野でもこのくらいの給与価格帯が多そうです
フルタイムで働く場合もあれば、週2~3日などのパートタイムで働く場合もありますので、年収はばらつきは多くなると思います。
ポスドクとは、それぞれの研究室から必要なときに不定期に公募があります。
しかし、日本学術振興会特別研究員PDや研究所から毎年公募される特別研究員など、毎年決められたポスドクの枠が設けられている制度もあります。
非常に自由度が高い研究活動ができるため、応募倍率も高く、優秀な人材しか通らない狭き門です。
ある種のステイタスといえます。
将来的に研究者を目指す博士学生や若手ポスドクのほとんどが応募する有名な制度です
優れた若手研究者に対して生活費と研究を支給する制度(支援機関:日本学術振興会)
博士課程修了後に受給可能な特別研究員にはPD、RPD(出産育児などで研究を中断していた研究者が対象)、PDに採用されている研究者が申請可能なCPD(国際競争力強化研究員)があります。
特別研究員PDの応募条件は博士課程修了後5年間以内です。
採用人数は文系理系あわせておよそ350名と非常に少なく、革新的な研究内容かつ十分な業績のある研究者しか通りません。
採択された場合には3年にわたり以下の支援を受けることができます。
<特別研究員PDの場合>
これまで雇用関係を有していなかった特別研究員ですが、令和5年度より特別研究員PD・RPD・CPDを受入研究機関で雇用することが可能になりました。
従来 | R5年度以降 | |
---|---|---|
身分 | 日本学術振興会特別研究員 (雇用関係なし) | 受入研究機関の職員 |
給与等 | 「研究奨励金」として日本学術振興会から支給 | 「給与」として受入研究機関から支給 |
各種手当等 | なし | 通勤手当、超過勤務手当等が支給 |
公的年金 | 国民年金 (第1号被保険者) | 厚生年金 (第2号被保険者) |
健康保険 | 国民健康保険 | 健康保険組合・共済組合等による健康保険 |
雇用保険 | なし | 適用あり |
労災保険等 | 傷害保険に加入 (日本学術振興会がが全額負担) | 適用あり (受入研究機関が全額負担) |
所得税 | 日本学術振興会が源泉徴収 | 受入研究機関が源泉徴収 |
住民税 | 各自で納付 | 給与から天引き |
かなり待遇が改善されています!!!
研究所から定期的に公募されるポスドクもあります。
有名な理研の特別研究員を例に挙げますね
理化学研究所 基礎科学特別研究員の例
待遇 | 年俸制で550,000円/月(社会保険料込み) 通勤手当(上限55000円/月) 住宅手当(家賃の一部) 赴任旅費(当研究所規定に基づく) |
任期 | 3年 |
こちらはポスドクとしてはかなり高給です。
さらに社会保険あり、科研費等外部資金への申請資格ありです
今の給料では安すぎるし、ボーナスだってない。
ポスドクは薄給であり、多くの場合でボーナス等もありません。
そのような中、社会保障に加入している割合がポスドクでは低いという問題もあります。
2018年の調査では社会保険に加入しているポスドクは65.9%という低さでした。
任期が終わった後の次の職が決まっていない…
ポスドクは任期満了までに次のポストが見つからなければ無職になる恐れがあります。
研究に力を入れて業績を挙げたい時期であるにも関わらず、次のポスト獲得に向けて就職活動も同時並行しないといけません。
このように研究活動が十分にできないことも問題点として挙げられています。
次の職が決まったからまた引っ越ししないと…
研究者の求人は、全国各地です。
短い任期で居住地を変わることになれば、経済的や精神的にも負担が大きくなります。
特に所帯を持っている場合には、単身赴任、配偶者の就業、子供の転園や転校など、課題はさらに複雑になります。
もちろん地域を限定して求人を探すことは出来ますが、当たり前ですが都市では倍率が非常に高くなるため、郊外や地方に出ざるを得ない場合は多いです。
一見するとデメリットが大きいポスドクにみえますが、そのデメリットを上回るメリットもあります。
研究室というのは非常に閉鎖的です。
対外的にみれば同じ研究をしていても、研究手法が全く異なっていることも日常茶飯事です。
つまり研究室の実態は「所属してみないと分からない」に尽きるのです。
ポスドクとして若手のうちに複数の研究室を経験することで、以下のようなノウハウを獲得することができます。
これはポスドクの最大のメリットであるといえます。
何か新しい実験系を始めようとしたとき、研究手法は論文を読めばざっくりと書かれているのですが、再現できないことも多いです。
また、同じ実験系の研究をしていても、研究室によってはある工夫で非常に効率化されていたり、上手くデータを出すためのコツがあったります。
実際の研究手法は、実際に見て・経験しないと分からないことがほとんどです。
古い常識に囚われて無駄な作業が山積みになっている研究室もあるよ。
井の中の蛙にならないように外の世界をたくさん見て来てね!
研究費獲得のノウハウを得られるのは最大のメリットかもしれません。
科研費などの競争的資金の申請書の書き方は、その研究室で受け継がれているデフォルトがあります。
若手が申請書を書く時には、多くのPIは自分の過去の申請書を「これを参考にしなさい」と見せてくれることも多いです。
私は今までそうでした
そこから、全体の構成や言い回しなどを学んで自分なりに仕上げた上で、PIに添削してもらいます。
「なるほど~!こう書けばいいんだ!」の気づきの連続です
また、その研究分野で研究費を獲得しやすい財団などのリストも研究室ごとにもっています。
この研究費獲得のノウハウを獲得するためには、ポスドクは絶好の機会であるといえます。
自身が将来的にPIを目指すのであれば、必ず学んでおいた方が良いノウハウです。
円滑な研究室運営は、良質な人材の確保や研究環境、研究業績のアップに直結します。
これら全ての采配を決定するのもPIの役割です。
PIになるって大変
研究室の規模や内容によって、それぞれ最適なスタイルが異なると思います。
いろいろな研究室を経験して、ノウハウを蓄積していってくださいね
研究者がキャリアを積む上で人脈はものすごく重要です。
ポストの獲得、新しい研究の立ち上げ、知識や情報の共有など、研究者は孤独に研究しているようにみえて、人脈が幅を利かせている世界でもあります。
ポスドクとして多数の研究室に所属することで、早めにPIになるよりもより広く人脈をつくることが出来ます。
堅実なポスドク時代を積みあげることで、10年後20年後までこの人脈は生きてきます。
遠い将来、ポスドク時代のPIに助けられることだって十分考えられるよ
ポスドク問題のことを考えると、博士とってアカデミアに残るのって難しそう。
もしこのような悩みを持っている方がいたら以下を読み進めてください。
研究者として生きていく上で、アカデミアを目指すか企業研究者になるかの決断をする必要があります。
ご存じの通り、研究者の働く環境は3つに大別されます。
国内の研究者の数※ | 特徴 | |
---|---|---|
大学(アカデミア) | 33万6800人 | 研究と教育の両輪 |
公的研究機関 | 3万8200人 | 研究に専念 |
企業 | 51万5500人 | 研究に専念 (研究開発による収益化を念頭においた活動がメイン) |
もしかしたら、「アカデミアに残れない人が企業研究者になる」という偏見を持っていませんか?
それは間違っていて、あなたの適性やライフプランによって決断すべきです
アカデミアと企業研究者では、多くの点で研究環境が異なります。
他にも違いが沢山ありますが、詳しくはこちらの記事でまとめています>>>
基本的には、企業研究者の選択肢をキープしておくことがベストです。
その理由は以下の2点です。
結婚して子供も欲しいけど、アカデミアでは給与や勤務場所が安定しない~~~!
特に結婚出産はとても大きいライフイベントで、このタイミングでアカデミアを離れる(脱アカデミア)する研究者も多くいます。
このようなライフステージの変化にすばやく、かつ失敗のない対応ができるように準備しておきましょう。
企業研究者の選択肢を持っておくということは「自分の研究の需要がある企業分野について視野を深め、企業研究を行っておくこと」です。
最短かつ最小限の労力でそれを行うには、就活エージェントを利用することが一番です。
そもそも就職エージェントは就活において以下のようなことをサポートしてくれるサービスです。
①のようにあなたの研究経歴からおすすめの企業や職種などを提案しマッチングしてもらえるので、自分の専門分野がどのような企業に求められているかを知ることができます。
企業経験の少ない個人が、専門に合った最適な企業を探そうと思っても難しいです
就職エージェントには、現時点で脱アカデミアを考えていなくてもとりあえず登録しておきましょう。
博士学生であれば、博士進学後すぐでも良いと思います。
ポスドクやそれ以外のアカデミアの方であれば、「今すぐ転職はしなくても、もし良い企業があれば」という感覚で十分です。
その理由は以下の2点です。
くれぐれも、「焦って就職先を決めてしまったらブラック企業だった!」なんてことがないように
就活エージェントはそれぞれ少なくとも3つは登録しておくことをおすすめします。
その理由は、サイトによって特徴や強みが分かれるため、それぞれの良いところ取りができるようにです。
博士の就活に最適なエージェントだと、
🔳No.1は【アカリク就職エージェント】
🔳理系専門の【UZUZ】
もしエージェント探しに困った場合、キミナラ
自分に合ったエージェントを早めに見つけられるといいですね
院生の就活ではまずココ!
【アカリク就職エージェント】
就職を成功させたい博士学生には必須です。
\公式サイトを見る/
※完全無料でご利用できます
理系に詳しい!!
【UZUZ】
機械、電気電子、情報系はまず登録必須です。
\公式サイトを見る/
※完全無料でご利用できます
大手の総合力で決めるならココ
ビズリーチ
研究職に特化しているわけではないので、登録することで研究職以外の可能性にも目を向けることができるかもしれません。
\公式サイトを見る/
※完全無料でご利用できます
各エージェントごとにそれぞれ強みや特徴が異なり、持っている企業案件も違います。
担当になったエージェントの方、僕の専門に詳しくなさそう…
このような場合は必ず就職は上手くいきません。
あなたに合ったエージェントを見つけることができるかどうかが就活の成功のカギになります。
そんな大事なエージェント探しをサポートしてくれるサービスもあります。
エージェント決めに悩んだらココ
キミナラ
もしエージェント探しに困った場合は、こちらを利用してみれば必ず助けになってくれるはずです
\公式サイトを見る/
※完全無料でご利用できます
実は、研究者は向き不向きがはっきり分かれる職種です。
大学院に進学できる学力があれば研究者にはなれます。
しかし、研究者を続けることの方が実は難しく、いくら優秀であっても研究者を辞めていく人が大勢います。
これには、性格的な向き不向きも大きく影響しています。
研究者の向き不向きは以下の記事でチェックできます。
もし、研究者に向いていない場合は、別の領域であなたの能力を発揮した方が成功する見込みは圧倒的に高くなります。
研究者に向いてないと感じている方はムリに研究者を目指す必要はありません。
むしろ研究者に適性がない場合は、他の職種に適性があることが多いです。
仕事への向き不向きは本当に大事です!
でもその職種が見つからないから苦労しているんだよ
そんな場合は色々なサービスを利用してみましょう。
アプリやWEBにて、非対人で、無料で適性診断ができます。
私もやってみましたが、簡単なのにかなり参考になるのでおすすめです
こんなに詳しいのに無料だなんて信じられませんよね
簡単に適性診断をできるツールとして、最もおすすめなのはASSIGN
手軽に適性診断は「ASSIGN」!
とにかく手軽に、無料で、適性診断ができるので、興味ある方全員におすすめです。
\クリックしてアプリをダウンロード/
※完全無料でご利用できます
価値観を軸にしているので、性格傾向に合った診断結果が出ます。
運営者も実際に行ってみましたので、心配な方はこちらのレビュー記事も参考にしてみてください。
ミイダス
今回はポスドクの概論として『特徴、働き方、任期、年収、問題点、なるメリット』についてまとめました。
よかったら次の記事もぜひのぞいてみてください
最後までお読みいただきありがとうございました。記事更新のお知らせはXでも行っています。良かったらフォローしてくださいね(@HAcademianote)
対象の映画・アニメが見放題
対象の曲が広告なしで聴き放題
最短翌日配送・お急ぎ便無料
さらに!
マンガ読み放題のPrime Reading
無制限ストレージのAmazon Photos
もついてくる
通常会員の半額・月額300円(税込み)
初回は6か月無料
下のボタンを使っていただければ、ワンクリックでSNSへ移動できます
コメント