【研究者とは】働く環境、仕事内容、年収、なり方、向き不向きについて解説

あかのん

こんにちは。当サイトの運営者のあかのん(@HAcademianote)です。

この記事では研究者を志望する人に向けて、研究者の概要から働き方、適性まで幅広くご紹介しています。

一読してもらえれば、研究者として働くときのイメージが掴めるはずです。

ぜひ最後まで目を通してみてください。

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研究者ってなに?

研究者とは、新しい知識や技術を発見し、それを活用する方法を研究する人です。

その手法は様々です。

研究者の例

  • 実験をする
  • 自然や生物などの現象を調べる
  • 過去の文献や書物、遺物を調べる
  • プログラミングなどを用いてコンピュータ開発 など
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色々なスタイルがありますが、全てが研究者です

どんな研究分野があるの?

研究分野は文系から理系に渡り多岐にわたります。

これだけ研究分野あるというイメージを持ってもらうために、一通り以下に記載します。

  • 人文学(文学、歴史、地理、文化など)
  • 社会科学(政治、法学、経済、教育など)
  • 数物系科学(数学、素粒子、天文学など)
  • 化学(物理化学、有機化学など)
  • 工学系科学(材料力学、原子力工学、電気電子工学、土木工学など)
  • 情報学(情報科学など)
  • 生物系科学(生物学、神経科学など)
  • 農学・環境学(農芸化学、生産環境農学、森林圏科学、獣医学など)
  • 医歯薬学(薬学、病態学、内科学、外科学、看護学、スポーツ科学など)
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現在のあらゆる知識、物、医療、サービスが、これまでの研究者の積み上げによって生み出されたものです

研究者と科学者の違いって?

科学者は、研究者の一部であり、自然科学を専門とする人を指します。

いわゆる白衣を着て試験管やフラスコを持って実験をしたり研究者のイメージが、科学者に近いです。

明確な定義はありませんし、研究者界隈で言葉を使い分けていることもありません。

研究には3種類ある

研究を分類すると3つに分けられます。

基礎研究特定の理論や現象、自然法則に関する理解を深める研究
応用研究基礎研究の成果を実用可能な技術に転換する研究
開発研究商品やサービスの開発が主体となる研究
研究の分類(創薬での例を図解)

基礎研究の多くは、真理を突き詰めることを目的としています。

そのため、応用研究や開発研究と比べて、長期に渡って続けられます。

あかのん

基礎研究は利益を生み出す必要のある企業では不向き。
アカデミアが中心ですね。

研究者が働く環境って?

研究者が働く環境

2021年3月31日時点(総務省統計局

2021年時点で、国内にはおよそ89万500人の研究者がいます。

ここでいう研究者とは、”大学(短期大学を除く。)の課程を修了した者(又はこれと同等以上の専門的知識を有する者)で、特定のテーマをもって研究を行っている者をいいます。大学院博士課程の在籍者も含んでいます。”と定義されています。

 大学(アカデミア)33万6800人

 企業 51万5500人

 公的研究機関 3万8200人

あかのん

一番多いのは企業なんですね。

研究者になるには?

アカデミアの研究者になるには

STEP
大学院へ進学する

大学院には修士課程(博士課程前期課程)と博士課程(博士課程後期課程)に分かれます。

大学院へ進学するにあたって、方法は2通りあります。

それは、企業などで働きながら大学院に通うかです、

  • 一般的な大学院生:学業のみ
  • 社会人大学院生:企業などで働きながら大学院に通う
STEP
博士号を取得する

大学教員のほとんどは博士号を取得していますし、大学教員に応募するにあたり博士号が必須である場合も多いです。

博士課程後期課程修了までに、必要な業績(論文数など)があり、教授会での認定が得られれば博士号を授与されます。

博士号の授与基準は、各大学の各学科ごとで異なります。

STEP
大学教員の公募へ応募する(推薦される)

大学教員の公募はJrecInという国が運営する求人サイトで探すことができます。

また、大学院時代に所属した研究室にそのまま教員として採用されたり、研究者同士の推薦などで内々に決まる場合もあります。

STEP
採用されれば大学教員へ

企業の研究者になるには

企業の研究職へ採用されることが必要です。

その際には修士課程以上の学歴を求められることも多いです。

アカデミアと企業での研究者の違いってなに?

研究者を目指す上で、アカデミアと企業での研究者の違いについて理解を深めておくことがとても重要です。

研究者としての在り方の違い

研究者の在り方(階級)

アカデミアで働く研究者は「大学教員」と言われます。

大学教員には、「助教<講師<准教授<教授」という序列があります。

あかのん

世間的に研究者というと「教授」や「准教授」が連想されますよね

研究の方向性の違い

アカデミアと企業での、研究の方向性の違い

大学や公的研究機関に比べて、企業では研究の方向性が異なります。

企業では、自社の利益に繋げないといけないため、商品やサービス化のための研究開発がメインになります。

つまり、研究のスパンも企業ではアカデミアより短期化する傾向にあります。

企業研究者のメリット・デメリット記事で違いを確認してみてください。

あかのん

あなたに合う合わないもあります

職務の違い

アカデミアと企業での、職務の違い

アカデミアで働く研究者には、学生の教育という、研究に匹敵する重大な仕事があります。

これは学科や専攻によって大きく異なりますが、週数コマの講義を担当することになります。

※助教とテニュアトラック教員(後述)の場合は、講義はない、もしくはかなり少なく設定されています。

アカデミアの研究者の中には、研究より教育の比重が大きくなっている(大きくなってしまっている)先生方も沢山みられます。

あかのん

教育はそれほど重要な仕事ですよね

雇用形態の違い

アカデミアと企業での、研究の方向性の違い研究者の雇用形態の違い

企業で働く研究者のほとんどは、正規雇用で働く会社員です。

特徴的な点としては、裁量勤務制が導入されている場合が多いことですね。

裁量勤務制とは

「労働時間が労働者の裁量にゆだねられている労働契約」のこと。

簡単にいえば「労働時間が長くても短くてもお給料には関係ない制度です。

つまり時間外労働という概念はなく、残業代もありません。

一方、アカデミアでの雇用形態は、一般的な会社員とはかけ離れ、かなり複雑化しています。

複雑化させているポイントは以下の3点です。

  1. 任期の有無
  2. 常勤か非常勤か(フルタイムかパートタイムか)
  3. 雇用元の違い

アカデミアでの研究者を目指す方は、この複雑な雇用について知っておく必要があります。

多様化するアカデミアでの雇用形態

アカデミアの多様化する雇用形態

任期の有無、勤務時間、雇用元の違いよって詳しく仕分けると以下の表のようになります。

身分任期勤務時間雇用元
大学教員なし常勤大学
大学教員
(テニュアトラック)
あり
※審査により
任期なしへ移行可
大学教員
(任期付)
あり
大学教員
(特任)
研究費等
ポスドク
(常勤)
ポスドク
(非常勤)
非常勤
あかのん

研究者の雇用形態はこんなに多様化しているんですよ

大学教員の雇用形態の違いについてはこちらの記事でもまとめています>>>

なかでも若手研究者にとって重要な雇用制度であるのがテニュアトラック制度です。

テニュアトラック制度については、こちらでメリットや公募方法を含めて詳しく書いています。>>>

ポスドクとは、任期のある非正規雇用の研究者です。

現在ではポスドクは1.5万人いるとされています。

あかのん

研究者の研修期間と捉えてもらえれば分かりやすいです。

詳しくはこちらの記事をみてくださいね>>>

研究者の年収

研究者の年収は、他の職種と比較して高い傾向にあります。

アカデミアで働く研究者の年収

平均年齢年収(万円)
助教41.7助教の平均年収棒グラフ
講師講師の平均年収棒グラフ
准教授48.0准教授の平均年収棒グラフ
教授56.8教授の平均年収棒グラフ
教授・准教授:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
助教・講師:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」令和元年度「学校教員統計調査 給料月額別 職名別 本務教員数」より考察

企業で働く研究者の年収

平均年齢年収(万円)
全体41.1企業研究者の平均年収棒グラフ
従業員1000名以上40.8企業研究者(1000名以上)の平均年収棒グラフ
従業員100~999名41.2企業研究者(1000名未満)の平均年収棒グラフ
従業員10~99名43.8企業研究者(100名未満)の平均年収棒グラフ
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」参照

日本の平均年収は50代以上でも約600万ですので、研究者の年収は高い水準といえます。

その他には、公的研究機関やポスドクの年収など、詳しく知りたい場合はこちらの記事を参考にしてください>>>

研究者の向き不向き

研究者を志望し、優秀な成績で大学院進学まで果たしたにも関わらず、研究者を辞めていく研究者は実は大勢います。

あかのん

研究が苦になって、心を病んで去っていく方がとても多いです。

え、でも優秀な人たちが集まっているんじゃないの?

優秀であれば良い研究者になれるかというと…

あかのん

それは大きな勘違いかもしれない

研究職から離脱していくケースというのは、性格的にみた研究への向き不向きが多いに影響しています。

研究者としての適性を確認するには以下の8項目を確認してくださいね。

  • 未知に対する探求心を維持できるか?
  • 没頭できるか?
  • 発想を生み出す努力ができるか?
  • 我が道を突き通せるか?
  • 問う力があるか?
  • 失敗をプラスに変えられるか?
  • 情熱をもてるか?
  • 行動力があるか?

こちらの記事では、ノーベル賞を受賞した偉大な研究者たちの名言を引用し、研究者としての適性を確認するためのチェックリストを詳しく解説しています。

あかのん

研究者志望の方は一度はチェックしてみてくださいね

まとめ

今回は以下の視点で、研究者志望の方に向けた情報を詰め込んでいます。

研究者はやりがいの深いとても魅力的な職業です。

ぜひ目指してね!!!

あかのん

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